知花竜海の音楽凡楽

ロック・レゲエ・ヒップホップ・沖縄民謡などをチャンプルーしたサウンドに、言葉遊びと深いメッセージをちりばめた歌詞で新世代の沖縄音楽を創り続けるミュージシャン/プロデューサー知花竜海(DUTY FREE SHOPP.)が、活動情報や日々のつれづれなどを書いていきます。

オスプレイ配備と沖縄県民大会

沖縄に来月にも配備されようとしている米軍のオスプレイについて、僕の考えている事を書きます。

まず、危険性についての議論がありますが、僕自身はこれは例え安全性が確保されたとしても配備してはいけないと思います。

なぜなら、あくまでオスプレイは周辺諸国との有事を想定して配備されるものであり、事実上次の戦争の準備をまた一段進めてしまうことになるからです。
今周辺諸国との領土問題でのピリピリした状況がありますが、これも軍備を増強し憲法を改正し国民の世論を誘導していく為に仕向けられている事です。

政治家が、国防として核抑止力の保有のためにも原発は必要だ、という身もフタもない意見を人目をはばからずに言うようになって来ています。

こうして日本が再び戦争の準備を進めれば進めるほど、周辺諸国が警戒し、緊張し、反発し、世論が戦争を呼び寄せていくという危険な流れになっていきます。

僕は一貫してずっと「戦争が起こらないようにする事」こそが真の国防だ、という立場です。
有事を大前提にしてお互いが軍備を強化し、愛国心をあおっていけば、かならず戦争になり、大勢の人が死にます。お互いの土地も文化も全て焼き尽くされます。

この莫大な軍事予算を、国際交流や、語学教育、留学支援、海外就職支援などに回し、どんどん日本の若者を世界に出て行かせて、各国でその土地に根付いた重要な仕事をさせて信頼を得ていき、国際的に戦争のせの字も出て来ないような状況を作る事が、ミサイル一発よりもよっぽど国を守ります。日本の国力も上げるし、コストパフォーマンスも良いはずです。
文化を輸出することも大切です。世界中の子どもたちの心に染み込んだドラゴンボールが、ワンピースが、スタジオジブリが、今この国を守っているんですよ。音楽も負けてられないね!


もう一つは、沖縄の基地負担と今後の生活を考えるに、基地は減らしていくのがベストである、という立場から、老朽化している今こそ、無くすチャンスなのだという事です。

老朽化した普天間基地を新しく辺野古に作り直したら、また耐用年数分だけ基地撤去が先延ばしになるということです。

オスプレイも一緒です。老朽化したヘリコプターをオスプレイに取り替えたら、また耐用年数カウンターがリセットされるんですよ。
老朽化して捨てるタイミングだからこそ、いっそここで継続更新しない、ここでやめると言うことが出来るのです。その権利や選択肢が本来は当事者である沖縄県民にこそあるべきなのです。

その県民の総意を無視して、沖縄という「外地・植民地」に負担を押し付け続けるこの国の有り様こそが、僕らが声高に批判し続けているものなのです。

正直オスプレイがどうとかの問題じゃないんだよ。うちなんちゅ うしぇーらんけーど。
バカにするのもいい加減にしれ。

ということで県民大会に行ってきました。
オスプレイ配備と沖縄県民大会
オープニングライブで若手民謡歌手の城間竜太(平和の願い、てぃんさぐぬ花)と与那覇あゆみ(平和の琉歌、ヒヤミカチ節)が頑張っていました。

印象的だった場面はいくつかあります。

まずは仲井眞知事のメッセージ代読中のものすごい会場ブーイングと
その後の佐喜真宜野湾市長の挨拶の時の熱烈な歓声・拍手の対比が凄かった。

そしてやはりハイライトは
最後の加藤弁護士の閉会の挨拶での、「高江の空にも飛ばせない」という締めの一言でしょう。
どわっと歓声が上がりました。
こちらのブログにもその事が書いてあります。
http://blog.livedoor.jp/natsumetaira/archives/52276077.html

個人的には、オール沖縄ということで保守や経済界の立場の人達からの基地反対のメッセージも聞けて良かった。
これは賛否あると思いますが、僕は翁長那覇市長も佐喜真宜野湾市長も良い事言ってたと思います。
建前でない、うちなんちゅとしての気持ちはちゃんと感じました。

そして前回の県民大会で採択した「辺野古に新基地を作らせない」という立場が今回の大会の当たり前の大前提になっていたのが印象的でした。保革問わず壇上のみなさんが挨拶の端々に辺野古というワードを挟んでいました。

それだけに、「高江」というワードが出て来ずに、暗黙としてそこには踏み込んでは行けないような空気で進んでいく中で、最後の最後の「高江の空にも飛ばせない」という弁護士の一言で、報われたと感じた人達も多かったでしょう。僕もグッときました。

「私たちは危険なオスプレイを普天間の空にも、嘉手納の空にも、辺野古の空にも、、(一瞬間があって)、そして高江の空にも飛ばせない!(ここで拍手ぶわー)以上閉会の挨拶といたします」
細かい言葉は違うかもしれませんがこんな感じだったと思います。
ほんとにギリギリの言い方だったと思いますが、ものすごく気持ちがこもってて、会場のテンションも上がってて、恐らく高江は推進している立場であろう人達も、閉会の挨拶の勢いでなんかバーッて拍手して盛り上がってたのが印象的でした。

オスプレイいらない。辺野古に新基地を作らせない。これが保革の枠を超えて実現したオール沖縄県民の総意であるならば、高江のヘリパッドも勿論要らないでしょう。
それで仕事が無くなる人達が居たら、その保証は国や県、ひいては沖縄県民が結いまーるでしっかり面倒見ていけば良い事です。


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この記事へのコメント
脳内お花畑で幸せですね。
Posted by オスプレイ配備は必須 at 2012年09月11日 19:49
僕も加藤裕弁護士の言葉がハイライトだったと思います。

23:00あたりから
http://www.ustream.tv/recorded/25282542
Posted by オオシロクマ at 2012年09月11日 20:52
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