知花竜海の音楽凡楽

ロック・レゲエ・ヒップホップ・沖縄民謡などをチャンプルーしたサウンドに、言葉遊びと深いメッセージをちりばめた歌詞で新世代の沖縄音楽を創り続けるミュージシャン/プロデューサー知花竜海(DUTY FREE SHOPP.)が、活動情報や日々のつれづれなどを書いていきます。

九州中国ツアーレポ(後半)

『知花竜海&KEN子/九州中国ツアー2010

   ~沖縄から伝えたい思い~』
ツアーレポ(後半:祝島~広島)

3/28(日)船で祝島へ渡る。
祝島は、瀬戸内海有数の漁場とされる周防灘と、伊予灘 の境界に位置する山口県上関町の島。現在は漁業と有機農業で生計を立てている。1982年に、祝島の対岸・上関町 四代田ノ浦に上関原子力発電所の建設計画が持ち上がり、祝島の人たちは島をあげて反対。約10億円にも及ぶ漁業保証金の受け取りも一貫して拒否している。

民宿くにひろ
の別館に泊まる。素泊まり、自炊。
偶然宿で相部屋になった天花風天工房の北原慎二さん。
全国各地を放浪して農業を学びながら日々の暮らしで出会った出来事を優しいまなざしで描き、 自然と共存して生きる自給自足の風天百姓画家。
彼の作った四月始まりの祝島カレンダーは素晴らしい!
欲しい人は僕に連絡下さい!

同行していた彼の妹・妙子さんはイタリアンのシェフ。祝島の海産物を使って寿司や貝とタマネギのかき揚げやタコのマリネなど、豪華なディナーをご馳走してくれた。最高に贅沢で美味。


3/29(月)祝島二日め。朝起きて北原慎二さんたちを見送り、
くにひろさんの案内で平さんの棚田に登る。棚田をつくった先々代のじいちゃんが見てたのと同じ絶景を見ながらおにぎりを頂く。至高の味わい。


平さんの棚田に関しては sabasaba13さんのブログ「散歩の変人」の「瀬戸内編(11):祝島(08.2)」にある説明や感想や写真など全てが素晴らしいのでぜひ読んでみて下さい。僕もおにぎりをほおばりながら全く同じ事を思いまし た。

山から下りてきたら昼飯を済ませて今度は海へ。
長靴に着替えて鎌を持ち、ひじき採り体験。
祝島の天然ひじきはやわらかくて美味。
祝島市場のホームページから通販で買うことができます。

その後、耕作放棄地を有効活用し青空天然放牧をやっている
氏本農園の豚の出荷を見学。
鼻にワイヤーをまかれてブヒーっとひっぱられていく豚に
命をいただいている事への感謝の気持ちをあらたに。


夕方からは毎週月曜にやっている島の原発反対デモ行進に参加。
夜は公民館で島の人たちにライブを見て頂く。
その夜はくにひろさんや虹のカヤック隊のメンバーと遅くまで語り合った。


3/30(火)祝島~広島。
朝起きて相部屋の人たちを誘い、もう一度棚田を見に行く。
船で祝島を離れる。寂しい。絶対また来るぞ。

室津港からは、虹のカヤック隊の岡田和樹君の車で
広島に向けて移動。岡田君は「ハチの干潟調査隊」「上関原発を考える広島20代の会」のメンバーとしても活動する干潟探検家。あたたかくやさしくそして鋭いまなざしと静かな情熱を持った魅力的な青年。最近では「原発よりも命の海を」というメッセージを掲げて中国電力 本社前で72時間ハンガーストライキをおこなった事でも知られる。

広島ではKEN子さんが辺野古で出会って意気投合したという
五日市の「満月清掃会」水島さん御夫妻にお世話になる。
夜は市内の「LIVE MUSIC & TEX-MEX FOODS  OTIS!」という店でライブ。
壁一面にそうそうたる先輩ミュージシャン達のサイン があり、
1987年から続くこのお店の歴史とこだわりを知る。


Set List <1st Stage> 1.てぃんさぐぬ花 2.My Sweet Sweet Home
3.フリムーンわんLOVE 4.カーミヌクー 5.民のドミノ 6.新しい世界
<2nd Stage> 1.稲妻 2.黄金の花 3.妄想エンジン 4.愛(めぐみ) 5.かりゆしの夜

偶然ライブのポスターを見て来てくれたという中國新聞社の道面雅量さんの
案内で吉四六(きっちょむ)という居酒屋で打ち上げ。
手羽先やハゲの刺身などを堪能し、団子汁でシメ。どれも美味。
実はこの道面さんは、福田首相辞任会見の「あなたと違うんです」を引き出した
質問をぶつけた記者さんなんです。すごい!


帰りに夜の原爆ドームを見学。

3/31(水)朝、もう一度原爆ドームに行き、慰霊碑の碑文を前に誓う。
「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」


以下はKEN子さんの日記から抜粋。僕も同意見。
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原爆ドームの目の前には中国電力。
世界でたった2ヵ所の原子爆弾の被爆地であるヒロシマの中国電力が
祝島のある上関町に原子力発電所を作ろうとしている事に
大きな矛盾を感じずにはい られなかった。

「原子力の平和利用」などあり得ない。
ウランを掘る時から廃棄物になるまで
誰かが被曝し続けてしまうのだ から。

悲惨な地上戦を経験した沖縄が新基地を作らせない事も、
原爆を落とされた広島が原子力を使わせない事も、
同じ意味で繋 がってるべきと思う。

人の欲望が起こした戦争で全て失った後、
やっと復興した豊かな時代になって後は
また更に人の欲望が いろんなものを壊して失ってきた。

もういい加減、私達の時代で使い果たさず、
子供や孫においしい水や空気や大地を残す為の努力に 変えていかなきゃと
改めて心に誓いました。(KEN子ブログより)
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高速バスで博多へ戻り、飛行機で沖縄へ。


ツアーを終えて
基地も戦争もいらない。これ以上物理的な豊かさもいらない。
自然と共存し長生きしたい。地球を長持ちさせる生き方にシフトしたい。
行く先々の故郷、人々の繋がりと営み、ご馳走と景色。
祝島で納得、原爆ドームで終了。自分のこれからすべき事も見えて頭もすっきり。
僕にとって同志とも言える岡田和樹君と北原慎二さんに会えた事も財産。
「沖縄から伝えたい思い」と題して歌を手みやげに旅したが、
逆にこっちがメッセージもらいっぱなしだった。
最後にこの旅に僕を導いてくれた聡明で情熱的な盟友KEN子さんに感謝。

ひとまず、めでたし。

最後に僕の尊敬する屋久島の詩人、山尾三省の一番好きな詩を。
この詩を初めて読んだのは高校の頃。全ては繋がり導かれている。


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4/28那覇で報告ライブ有り!

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