知花竜海の音楽凡楽

ロック・レゲエ・ヒップホップ・沖縄民謡などをチャンプルーしたサウンドに、言葉遊びと深いメッセージをちりばめた歌詞で新世代の沖縄音楽を創り続けるミュージシャン/プロデューサー知花竜海(DUTY FREE SHOPP.)が、活動情報や日々のつれづれなどを書いていきます。

ポーネグリフを読める能力

ワンピースという漫画がある。主人公の海賊ルフィが仲間を集めながら海賊王を目指す冒険ものだ。

ワンピースの世界の歴史には「世界政府」によって闇に葬られたある王国の「空白の100年」というのがあって、その歴史は世界中に散らばったポーネグリフという石盤でしか知ることができない。しかもそれは「失われた」古代文字で記されていて、普通の人には読む事ができない。

しかし主人公ルフィの一味にはこのポーネグリフを読む事が出来る考古学者ニコ・ロビンがいて、物語の最後の目的地である秘宝にたどり着くための重要な「カギ」になっている。

歴史は常に勝者によって作られる」という言葉があるように、敗者の歴史は隅に追いやられ、隠され、あるいは抹消される。後世の人間は勝者が意図を持って作った歴史観や戦争の大義をあたかも「昔からある真実」のように教育され信じて疑わなくなる。ワンピースの世界政府もまた自分達の「正義」を掲げ秩序を保とうとする存在であり、海賊はそれを破壊しようとする逆賊だ。

先日「うちなーぐちで歌ってみた」プロジェクトについて、新聞に取材して頂いた時に、「うちなーぐちとは太古の昔に失われた文明のタイムカプセルを開ける鍵のようなもの」という話をした。まさに「うちなーぐち」を学ぶという事はこの失われた歴史をひも解き、国や社会のなりたちを知り、自らのルーツを「正しく」理解するための「カギ」を手に入れる作業なのである。

琉球には独自の文字文化は無く、歌や芸能の中に歴史や当時の事象・情景・感情などが口承で残されてきた。つまり琉球民謡や古典芸能に携わる人たちはワンピースで例えるところのポーネグリフの守り人で、「うちなーぐち」話者はポーネグリフを読める者と思えばその意義が理解しやすいかも。

なにも図書館や博物館の古い書物を研究するようなハードルの高い話だけではない。幸いにも多くの民謡や芸能がまだ残っているし、あなたのうちのオジーオバーも、出稼ぎや移民や戦争の歴史を越えてきた、歴史の生き証人であるのだ。

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【今日の動画】

うちなーぐちで歌ってみた動画 第三弾の「人にやさしく」がついに公開中!!皆様YouTubeでの視聴とシェア拡散よろしくお願い致します!
このプロジェクトをやろうと思った理由についてはこちらに書いてあります。
http://chibanatatsumi.ti-da.net/e9265319.html
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【CD販売】
知花竜海関連のCDは全て恩納村おんなの駅にある知花竜海のCDコーナーにて買えます。またシングル「海鳴りの島」は県内各CDショップにて注文取り寄せも可能です。
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ポーネグリフを読める能力
↓NHK-FM「沖縄ミュージックジャーニー」出演時のインタビュー動画


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